新規日誌3
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2023/03/20

「さらなる強さ」と「寛容さ」~卒業証書授与式 校長式辞から

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 福田小学校令和四年度卒業生として本校を巣立つ86名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。また本日は、○○様、本校PTA正副会長並びに保護者の方々にはご臨席を賜り、誠にありがとうございます。卒業生、教職員を代表して、心からお礼申し上げます。

 只今、皆さんにお渡ししました卒業証書は、6年間いろいろな困難を乗り越え、頑張ってきた証です。委員会活動等でより良い学校にしようと、懸命に努力してくれた姿も見せてもらいましたし、下級生への優しい姿もたくさん見せてもらいました。様々な行事等がスムーズに進んだのは紛れもなく皆さんのおかげですし、皆さんからの「優しさのバトン」は確実に在校生に受け継がれていくと思います。

 さて、これからの世の中は、人工知能(AI)の飛躍的な進化に代表されるように、予測困難な時代であり、我が国にとっても厳しい挑戦の時代を迎えるとも言われています。そのような中、今後、皆さんにとっても、時としておそれを感じたり、途方に暮れてしまったりすることもあるかもしれません。だからこそ、皆さんには「さらなる強さ」と「寛容さ」を求めたいと思います。

 禅の言葉で「独来独去(ひとりきたり ひとりさりて) 無一随者(いちも したがうもの なし)」という言葉があるそうです。人間生まれるときも死ぬときも一人きり、誰もついてきてはくれないという意味ですが、これからの厳しい人生、いずれお父さんやお母さんも一緒について来てくださることができない、自分だけで歩く日が必ず来ます。そういう中にあっても「強い」人であってほしいと願っています。

 私は、卒業アルバムに寄稿した文章に、ほんものになってほしいと記しました。戦中戦後を小学校教師として奉職、多くの著作を著す日本の教育者である東井義雄氏は、自らの詩の中で、

「ほんもの」と「にせもの」は
見えないところの 在り方で決まる
それだけに
「にせもの」に限って
見えるところばかりを気にし 飾り
ますます 「ほんとうのにせもの」になっていく

と、述べています。見えないところで、人をごまかしたりだましたりすることはできるかもしれませんが、自分の良心は絶対にごまかしたりだましたりすることはできません。自分の良心が「しなさい」ということは必ずする、良心が「してはいけない」ということは絶対にしてはいけない。良心が「した方が良い」ということは努力をして実行してください。自分の良心にしっかり従って行動することで、本当の強さが身につきます。

 一方、そのような自立した人間にできて、人工知能(AI)にできないことの一つに、お互いに関わり、丁寧な議論をして、よりよい社会を創造していくことだと言われています。人と人がかかわるうえで意識してほしいことは「寛容さ」です。詩人 吉野弘さんも

私はむろん 不完全な人間です
だから私は 人を責める事など
爪の垢ほども 出来ません
だが世の中は
自分の不完全さから目をそむけて
他人の不完全さをそしり合ふのです
私だってさうです
しかし私はさうではなくなりたいと希って居ります

と書いています。生きている以上、どんなに慎重に行動しても失敗することはあるし、どんなにまわりのことを気遣っていても誰にも迷惑をかけないなどということは難しいことです。互いに迷惑をかけるのだから、「おたがいさま」と言いながら許せる人であってほしいのです。

 最後になりましたが、保護者の皆様におかれましては、高い所からではございますが、心よりお子様のご卒業をお祝い申し上げると共に、これまでの福田小学校に対する温かくそして熱いご支援・ご協力に感謝し、心から厚く御礼申し上げます。結びになりますが、卒業生全員の前途に幸多かれとお祈りし、式辞といたします。

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2023/03/07

伸びる人の共通点は・・(6年生ありがとうの会あいさつ)

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 本来であれば、みんなで体育館に集まって6年生の卒業をお祝いしたいところですが、今年度もビデオ放送の形をとることになりました。

 集団登校や委員会活動などこれまでの6年生のみなさんの活躍を見て、皆さんが福田小学校をどんな学校にしたかったのか、下級生たちに何を残したかったのかという思いを折に触れて感じることができました。学校全体のために頑張ってくれたことが実にたくさんあり、そういう意味では6年生の皆さんがこの学校を卒業してしまうことに寂しさも感じています。

 6年生の皆さんは、3月17日が卒業式ですから、福田小ともあと10日ほどでお別れとなってしまいます。4月から中学生ということで、新たな旅立ちへの不安と期待とで、複雑な気持ちではないかと思います。

 皆さんはこの学校での6年間の日々を誇りに、ここを巣立った後も頑張ってほしいと思っていますし、私たちは皆さんのことをここから見守り応援し続けます。

 さて、今日は皆さんにエールを贈る意味を込めて、一つの言葉を紹介したいと思います。プロ野球打撃コーチから高校野球監督を目指し教師に転じた高畠(たかばたけ)導宏(みちひろ)さんという方の言葉です。

 この方は、プロ野球の世界に限らず、人生そのものにおいて「伸びる人の共通点」として、次の7点を挙げています。1.素直であること。2.好奇心旺盛であること。3.忍耐力があり諦めないこと。4.準備を怠らないこと。5.几帳面であること。6.気配りができること。7.夢を持ち、目標を高く設定することができること。です。

 皆さんの中には、まだ見ぬ可能性がたくさん眠っています。これからもっと、いろんな人とかかわり、いろんなことを学び、こつこつと努力を重ねることで、きっと皆さんの中の可能性が大きく花開くことでしょう。

 最後になりましたが、この会を企画・運営してくれた皆さんにも感謝したいと思います。6年生が卒業しても、福田小の良さは、5年生をはじめとするみんなががっちり引き継いでくれるだろうと感じています。以上で、私からのお話を終わります。


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2023/02/24

学校運営協議会でお話しした「令和5年度の重点項目」に挙げたこと

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1 はじめに
 はまぼう学府教育目標(互いを認め 未来をともに創る子)は、令和4年度に、はまぼう学府の子どもたちに必要な力は何か、9年間をどのような形で育てていくかといった観点で、小中学校共通の学校教育目標として設定したところです。ついては、令和5年度についても継続して下記に示す力を育てていきたいと考えています。
互いを認め
(1) 「自分はどんな人間なのか(強みや弱み)」についてよく理解し認める。
(2) 周りの人たちのことを理解し、認める。
そのためにコミュニケーションをとる力を育む機会を意図的に設定する。
未来をともに創る
 自分が生活をしている学級や学校の課題に気づき解決していく力を育てていく。自治的な風土の中で、子どもたちの主体性やレジリエンスを育てていきたい。

2 本校経営目標について
 自分の頭で考える子になってほしい、様々な体験活動やかかわり(学年間、異学年、地域)の中で優しい子になってほしいという思いは令和4年度から変わるものではありません。したがって、目指すべき学校像も「かかわりいっぱい、優しさいっぱいの学校」と令和4年度同様としたいと考えています。

ア ことばの力を育てる
 自分の頭で考える際、「ことば」は必須です。本校児童の実態を考えたとき、自身の感情をうまく言葉にできない子どもが見られます。中には他人に対して腹が立った時に「むかつく」「死ね」「殺す」という言葉が口をついて出る子もいます。
 言葉を適切に選んで相手に伝えることができる子どもに育てたいと考えています。そのために、いろんな人とかかわる、話し合うという機会を意図的に創出することで、ことばの力を育てていきます。

イ 想像する力を育てる
 感情をうまくコントロールできない子どもが見られます。「やりたい」と思ったら衝動的に行動に移す子もいるようです。行動する前に、「これをやったら相手はどう思うのだろう」「自分の行為が周囲にどのような迷惑をかけるのだろう」と想像する力を培うことが必要だと考えています。想像力を育てることは「優しさ」を育てることにつながります。

ウ 自治的な風土を育てる
 トイレのスリッパが乱雑になっていても直そうとしない、ゴミが落ちていても拾おうとしない、授業中に自分勝手な言動を行う・・など校内で起こることに他人事な子どもが見られます。自分たちが生活する環境を自ら整えようと自分事になってほしいと考えます。一人ひとりが周りを思い、自分がどの分野で学級・学年の役に立てるかを自ら考えることで、自治的な風土を育てていきます。

エ 健やかな心の育ちを支える
 子どもたちの中には、精神的に不安定な様相を表す子も少なくありません。そこで、行動の背景にある言葉にならない子どもの思いを深く理解すべく、迅速かつ丁寧に組織で対応できる職員体制の構築を図っていきます。


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2023/01/06

自分自身をしっかり見つめる(3学期始業式の校長の話)

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 2023年(令和5年)がスタートしました。皆さん、あけましておめでとうございます。昨年の「寅」にはもともと「動き始め、胎動」といった意味があったそうですが、今年の「卯」は、芽を出した植物が成長していき茎や葉が大きくなる時期で、目に見えて大きく成長する年だといわれています。


 3学期は、今年度の仕上げと次にやってくる学年への準備をする学期です。昨年度もお話ししましたが、「有終の美」という言葉を意識してほしいです。何かをやり始めることは誰でもできますが、終わり(最後)までやり遂げることは難しく立派(美しい)という意味です。飛行機だって、高く遠くへ飛ぶためには、その前にしっかりと走らないといけません。次の学年に向かって大きく羽ばたくためには、この3学期はしっかりと走り切ることが大事です。


 今、「しっかり走り切る」と言いますが、そのためには、まずは「自分自身をしっかり見つめる」ことから始めてみましょう。時々、自分のことは棚に上げて、友だちのことばかり注意するといった姿を見かけることがあります。中には、せっかく先生に注意してもらったのに「〇〇さんも悪いことをしていたよ。〇〇さんも注意して。」と言い返す姿も見られることがあります。
 まわりの子のことばかりが気になるうちは、まだまだ自分自身に目が向いていないと言えます。自分自身に目を向け、「自分はまだこういうところができていない。こういうところを頑張らなきゃいけない。」と思えるようになると人として大きく成長できるものです。ましてや先生に注意してもらったというのは、自分が直せるポイントを教えてもらったということですから、「成長できるチャンスをもらった。ありがとうございます。」と考えた方がいいと思いますね。


 3学期は学校に来る日が49日です。ぜひ、有終の美を飾るためにしっかり走り切ること、そのために周りの子を気にすることなく、自分自身をしっかり見つめることを意識してみてください。



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2022/12/23

2学期終業式での校長の話(「福田開学の日」のことを含む)

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 2学期は学校に来る日が81日間ありました。始業式の日には「自分の命を大事にしてほしい」ということ、さらにはいろんなことに挑戦していく姿こそ、「自分の命を大事にする」ことにつながるのではないかと、お話ししました。

 運動会や持久走記録会などをはじめ、多くのことに挑戦する姿を見せてくれた子もたくさんいます。一人ひとりがゆっくり2学期を振り返ってみてください。


 さて、12月17日は何の日か知っていますか。昨年度もお話ししたので、覚えてくれている子もいるでしょうか。実は、はじめてこの福田の地に学校ができた日なのです。本校ではこの日を「福田開学の日」と呼んでいますが、今年は少し、児童数の移り変わりを中心に話をしたいと思います。
 明治6年(1873年)、とりあえず観音寺を勉強する場所にあて、それを「福田学校」としました。福田町史の中に、その頃の子どもの数が示されています。明治8年のところを見ると、学校に通うべき女の子は141人いるはずなのに、実際に通うことができた子は19人しかいないことになっています。この頃はまだ男の子は勉強、女の子は家の手伝いといった感じだったのかもしれません。男女とも仲良く学校に通うことができるようになるのはこの先ずいぶん経ってからのことです。



 ここで、校長室に眠っている昔の写真を幾つか見てもらおうと思います。今とは建物も子どもたちの服装も違いますね。

 もう一つ、福田町史に興味深い文章を見つけました。戦後間もなく、昭和23年1月に書かれた「福田町を育てる力」には、「文化性豊かな町民の育成こそ、将来の福田町を育てる力であり、この仕事に決定的な力を持つものは「教育」である。現在福田の小学校は1組に60人、70人の子どもがすしずめにされてうごめいている。」とあります。子どもの数が急激に増えてきたこと、いい環境で子どもたちに教育を受けさせたいという地域の人の願いがよく分かります。

 さて、年月が過ぎ、福田町内にあった5つの学校は2つの学校へとまとまっていきます。一つは「於保小学校(その後福田町立西小)」です。大原給食センターの近くに碑が残っています。もう一つが「福田小学校」です。現在の交流センターや図書館があった場所にあるものです。

 昭和40年3月には、福田小学校の校舎を新しく作ってほしいというお願いが町議会に対して出されています。この中には、児童数1284名、30学級の多きに達していることと、図工室がないなど特別教室が不足してちゃんと授業ができないことが挙げられています。
 昭和45年には学校ができたことを記念してパンフレットも作られました。

 この写真のとおり、今、雄峰山がある場所にプレハブ校舎が建っています。つまり、校舎を建てた後も子どもの数はどんどん増えて、昭和49年には北校舎部分の増築を行い、これでも足らなくなりプレハブ校舎まで建てたというのです。最も子どもの数が多いときは1400名を超えていたというからすごいですね。
 現在、ここには572名の子どもたちがともに学んでいます。来年度は開学150年目にあたります。先輩たちが築いてきたこの学校をさらにいいものにすべく、みんなで協力して頑張っていきましょう。

 では、13日間のいい冬休みを過ごしてください。そして、1月6日には全員そろって笑顔を見せてください。少し長くなりましたが、私の話を終わりにします。


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2022/12/01

持久走めあて発表の会でのお話

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 持久走記録会が今日から各学年で行われます。もちろん、この日を楽しみにしていたという子はいるでしょうけれど、もしかしたら「持久走なんか嫌い、こんな記録会なんてなければいいのに・・」と思っている子もいるのではないでしょうか。

 私は先日の運動会の開会式で、「小さいころ、走るのが遅かったため、運動会があまり好きではなかった」ことをお話ししました。一方で、「ビリでも一生懸命やっていれば何も格好悪くないし、そもそも運動会は徒競走だけじゃないし、係りとしての仕事もある、そういったことで力を発揮すれば、きっと楽しかっただろうなあ」と、勿体ない思いをしたともお話をしたのを覚えてくれているでしょうか。

 私たちは、昨年度から行事の名前を「持久走大会」から「持久走記録会」に改めました。大会というと、どうしても順位や速さにばかり目が行きがちなので、そうではなくて、記録に着目して、自分自身の成長や頑張りに目を向けてほしいという思いを込めています。

 ぜひ、自分なりのめあてをしっかり心の中で決めておくといいですね。「最後まで走り切る」ことだって立派な目標だと思いますし、「去年の自分のタイムを追い抜く」ことだっていいと思います。私は、みんなが諦めずに走る姿や、同じように辛い思いをしながら走る人を応援する姿に期待しています。順位だけが目標じゃありません。無理のないように楽しんで走ってほしいし、それでいて弱い自分に打ち勝ってほしいとも思っています。

 私は、ゴールで皆さんを待っています。ちゃんと順位カードを受け取ってくださいね。では、これでお話を終わります。


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2022/11/22

ここ最近、感じるあれこれ・・(校長室から)

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子どもたちは日々違った表情を見せます。

今日は笑顔で饒舌だった子が、次の日には下を向いて足早に通りすぎたり‥・。


校長室の扉は、会議やお客様との面談以外は基本的には開け放しています。

何気なく訪ねてくる子もいて、二言三言会話をしてくれる子もいれば、中には何も言わずソファーに座りそのうち静かに出ていく子も。


何か言いたかったんだろうなあ、でも言葉にできないのかなあなどと、その子に思いを馳せながら背中を見送ることもあります。



私は最近、子どもたちの中にコロナの影響を感じることがあります。

これまで、学校においても、様々な行事や活動を制限され、「距離を取りなさい」と言われながらいろいろな人との関わりも抑えられてきました。いつしか、子どもたちは人との上手な関わり方や距離の取り方を学ぶ機会が減り、お楽しみの要素も随分減ってしまった感があります。


さらにここ数日、体調不良のため複数名の教員がお休みをせざるを得ない状況になっています。学級担任がいない学級の子どもたちは何とも不安な思いで登校しているでしょうし、お休みしている教員も子どもたちのことが気になって休んだ気になれないでしょうし・・・。


残った教員が一丸となって、子どもたちの授業を進めたり、行事や集会を計画したりと、子どもたちが落ち着いた雰囲気で学校生活を過ごせるよう頑張ってくれています。マスクや手洗いといった基本的な感染対策は呼びかけながらも、教育活動を制限したり無くしたりせず、子どもたちに様々な関わりや体験の機会を設けたいと知恵を振り絞ってくれています。



先日、祭典連合会の方が福田地区の祭典が無事終了したことの報告を兼ねて校長室を訪ねてくださいました。「校長先生から、祭典の1週間後に運動会があることをお聞きしていましたので、運動会はどうだったかなと心配していました」と話されたので、「祭典後に感染症が広がることはありませんでした。運動会も無事に開催できました。」と私から報告すると「役員には学校の思いも伝え、できる限りのことはしました」と言っていただき、感謝の思いでいっぱいになりました。家庭や地域の理解や協力があってこそ、学校の教育活動はスムーズに進むことを改めて感じている今日この頃です。




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2022/11/04

子どもの表れをどう見立てるのか(校長室から)

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 例えば、お子さんが「ちょっと頭が痛いなあ」と呟いたらどうしますか?


 「放っておけば治るよ。気合いだ!」というでしょうか。それとも、「寝れば良くなる。様子を見よう。」と言うでしょうか。まあ、こうしたことで症状が良くなることもあるでしょうが、事の本質を捉えた助言とは言えません。では、「とりあえず、風邪薬でも飲んでおく?」はどうでしょうか?これも同様で、事の本質を捉えていませんね。




 まず、頭が痛くなる原因をなんとなく探るところから始めますよね。「体はだるいの?」「鼻水は出るの?」「喉は痛い?」などと聞いて当てはまるものがあれば風邪かなと疑って病院に行きますね。そのような症状がなければ、「昨夜はきちんと寝られたの?」と尋ねて寝不足を疑うかもしれません。季節の変わり目ならば自律神経系の症状も疑うだろうし、それもなければ「もしかして精神的な何かが原因かも…」と考えるかもしれません。つまり、「頭が痛い」といった表面的な表れがどうして起こるのかをしっかりと見立てて、それに合った助言をしないと症状を抑えることはできません。





 これは、学校現場でも同じことが言えるのです。「最近落ち着かない」「言葉遣いが荒くなった」「学校に行きたくないと言っている」などの表れが出てきた子どもに対して、「しっかりしなさい」「頑張れ」などと言うだけでは、教師の営みとして不十分であると言わざるを得ません。なぜこういう表れが出てくるのかを多方面から探って、学級担任として何らかの見立てをして対応策を講じていきます。




 しかし一方、保護者から見た場合、「学級担任は何らかの策を講じてくれているはずだけど、何も改善されていないのではないか。本当に大丈夫なのか。」と学級担任の指導に不安を感じる場合もあるでしょう。医者の世界に「セカンドオピニオン」という考えが一般的になっているように、学級担任の指導に不安がある場合、学年主任に相談してみる、教頭先生に相談してみるなどの方法も学校現場におけるセカンドオピニオンだと私は思っています。学校では、そのような相談があった場合は、もう一度、子どもの表れをどう見立てるかと言うことからチームで考えるようにしていきます。




 子どもの表れを多面的に見ることができるように教師は研修を積んでいきますが、何年経験を積めば完璧になるというものではありません。だからこそ、教師もチームを組んで、いろんな人の考えを聞いて視野を広げていく必要があります。時には教師だけでうまく見立てられない場合もあります。その時は保護者にも相談します。子どもによっては、学校と家庭とでは全く違う一面を見せるという場合もありますから。




 自分の感情を明確に言葉にして相手に伝えるのは大人でも難しいことです。子どもならなおさらです。だからこそ、学校と家庭が協力して、子どもたちの心の声を読み取るべく努めねばと思います。


 



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2022/10/19

変化するもの、変化しない思い(校長室から)

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 その昔、チャールズ・ダーウィンは、「最も強い者が生き残るのでなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一、生き残るのは変化できる者である。」という言葉を残したそうです。

 学校というところは、子どもたちを中心に授業や学校行事を組み立てていきますので、子どもの実態に沿ったものでなければなりません。同じ教科、同じめあてで授業を行ったとしても、学級が違えばその学習方法や活動内容が異なってくるのは、子どもの実態が違うからです。

 先週(10月15日)、運動会が無事終了しましたが、運動会という学校行事も、昨年度までと比較し、変化すべきものと変化しないものがあってしかるべきです。今年度の運動会の特色として、「ペア学年での演技・競技」を種目に加えたこと、1家庭につき保護者2名の参加としたことの2つが挙げられます。
 「ペア学年での演技・競技」を種目に加えたのは、運動会も異学年でのかかわりの重要な機会ととらえたためです。なぜ、年間を通して異学年交流なのかということについては、以前「自分の頭で考える人になる(校長室から)」に書かせていただきました。

 多くの方々が、学校の思いを理解していただき、異学年交流を通して子どもたちの成長を感じていただいているようで嬉しく思います。その一例をお示しすると、「上の学年の子が下の子を気にかけている様子がよく見えた」「下の子をリードし、まとめ、いい運動会を創ろうという姿勢で素晴らしい運動会になった」「コラボがかわいかった」「大きな声で一生懸命応援している姿が印象的。子どもたちみんなで運動会を楽しめているように見えた」「6年生が1年生を引っ張っていく姿に頼もしさや成長を感じることができた」「優しい子が多いのが改めて感じられた」などです。私たち職員も同様に子どもたちの成長を強く感じています。

 ただし、一部に「競技の内容に物足りなさを感じた」「4年生のソーラン節、6年生の組体操がなかったのは残念」「6年生の演技は小学校生活の集大成のようなものを期待してしまう」といった意見もいただきました。運動会の練習・本番を通して、子どもたちは職員が思い描いた以上に頑張った、成長したということかもしれません。来年度はもっと高いレベルのものを子どもたちに要求しても、子どもたちはそのハードルを乗り越えていけるということを見せてくれたのかもしれません。

 このあたりは、今後、職員で検討しながら、来年度はどのような内容にしようかとまとめていきます。運動会という学校行事を通じて子どもたち一人ひとりを成長させたいという思いはいつの時代も変わるものではありません。しかし、子どもの実態が変われば、活動内容などは年々変化すべきものです。

 最後になりましたが、保護者の皆様には様々なご協力をいただきました。運動会当日も、大きな混乱なく、終えることができましたこと、この場をお借りしてお礼申し上げます。


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2022/10/14

運動会 開会式 校長あいさつ

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 天候も皆さんに味方してくれたようです。天気予報では明日も良い天気で運動会日和になりそうです。

 さて、今年度の運動会のスローガンは「ペア学級とピンチを乗り越え、本気の花を咲かせよう」に決まりました。とてもいいスローガンだと思います。このスローガンに関連して2つのことをお話したいと思います。

 まず「ペア学級とピンチを乗り越え」るべく、上級生は下級生への愛情をもって教えたり助けたりしてあげましょう。逆に下級生は上級生への憧れをもってその競技や演技の姿を目に焼き付けてください。さらに、全員に言えることですが、周りの子への思いやりを忘れないようにしましょう。例えば、剣道において、敗者の前で喜びを露(あらわ)にするガッツポーズなどは、思いやりの無い礼節に欠けた行為と見なされ一本が無効になるというルールがあります。相撲でもこういう行為は禁止されているそうですね。明日は、剣道や相撲ではありませんが、ぜひお互いに思いやりをもった行動をしましょう。

 次に「本気の花を咲かせる」べく、みんなには、いかなる結果にかかわらず、一生懸命の姿は何より格好いいと強く言いたいと思います。ちょっと恥ずかしいことをお話ししますが、私は小さいころ、運動会があまり好きではありませんでした。背が小さくて太っていたために、走るのが遅かったのです。だから徒競争がビリになるのがいやで運動会なんてなくなればいいなと思っていたぐらいです。
 でも、大人になって思い返すと、もったいないことをしたなと反省します。ビリでも一生懸命やっていれば何も格好悪くないし、そもそも運動会は徒競走だけじゃないし、係りとしての仕事もあります。そういったことで力を発揮すれば、きっと楽しかっただろうし、運動会の思い出もいいものに変わっただろうなと思います。

 さあ、明日は自分史上最高の姿を、私たちに見せてください。皆さんの姿に、私は大いに期待しています。

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