相手の立場に立つことの大切さ(5年 道徳)

2022年6月8日 18時56分
5年生



 「待ち合わせをしたのに、時間になっても友達は来ない」「約束をしたのにお母さんは守らなかった」子どもたちにもそんな経験は何かしらあるようで、その時の気持ちを思い出すというところからこの日(6月8日)の道徳はスタートしました。担任は、一人ひとりに写真のような「心情メーター」を渡し、怒っている(赤)気持ちと冷静(青)な気持ちを視覚で分かるように促していました。そのメーターを見せながら、理由などを友達同士で話し合いました。

 教材の提示の仕方にも担任の一工夫がありました。すれ違ってしまった2人の友だちのそれぞれの立場から書かれたシートを用意していました。学級を半分に分け、一方のグループには「すれちがい(太田マミ編).pdf」を、もう一方のグループには「すれちがい(中村えり子編).pdf」を読ませて、先程の心情メーターで、その子になったつもりで考えてみました。黒板にそれらを貼り出すと、当然の如く、双方に赤が多くなっています。

 お互いに理由を言い合ううちに、子どもたちはあることに気付き始めます。お互いの言っていることが少しずつずれていること、もしかしたら2人とも悪いところがあったのかもしれないこと、相手の思いをもう少し聴くと違った結果になったことなどの発言があり、単純に「相手が悪い」と怒っているだけではよくないということが分かってきました。



 最後の振り返りでは、「相手にも事情がある」「伝えるべきことはしっかり伝えた方が良い」「怒るばかりでなく、自分から謝った方がいいのかもしれない」など、明らかに最初の思いとは変わってきたようです。心情メーターの「赤」の部分を少し減らした子もいたようです。友達の意見を聞くうちに、「怒るだけじゃだめだ」と自身の考えを変えていく子どもが多く、授業の深まりを感じるものでした。