はまぼう学府教育目標(小中学校共通教育目標)について

1 はじめに

 磐田市では、平成24年度から小中一貫教育に取り組んできた。地域全体で子供の教育をサポートするという基本理念のもと、各中学校区(学府)において小中共通の目標、カリキュラム、指導方法等が9か年を貫いて設定され、小中協働で実施される教育を推進してきた。その内容は、豊かな学びの創出、社会性や道徳性を備えた心豊かな人づくり、国際社会の中でたくましく生きる力、英語によるコミュニケーション力の育成を目指している。

 今後は、より小中一貫教育を発展させていくために、学府の子供に必要なことは何か、9年間で何をどのような形で育てていくのか、今までの取組をもう一度共通の目線で見直してみることが求められている。

2 はまぼう学府の経緯

 はまぼう学府の子供たちは気さくで、人と関わることを好み、求める傾向が強い。方法や手順を教えれば、素直に挑戦してみようとする前向きな気持ちをもっている。また、目の前に太平洋を眺め、田畑や商店街を有する特徴ある環境の中で、「わが町福田」としての誇りをもっている。一方で生活習慣に課題があったり、自分の思いをうまく伝えられなかったりする姿も見受けられる。

 このような実態を踏まえ、平成26年度より、私たちは、「じだいをたくましく生き抜く知徳体の調和のとれた凛とした福田の子」の育成を願い、「自尊感情」と「ことばの力」の育成に力を注ぎ、これらの土台となる「良好な生活習慣」づくりを、家庭や地域と一体になって取り組んできた。

 さらに、令和元年度からは、昨年度までの取組や成果を土台とし、子供たちの良さを生かし、「仲間と力を合わせて のびやかに育つ福田の子」の育成を学府教育目標に掲げ、「ふるさと福田」を合言葉に、多くの人との関わりの中で豊かな感性をもった、未来を切り拓くたくましい子供たちを育てるための取組を実践してきた。

 令和4年度からは、はまぼう学府の教育を磐田市が目指す小中一貫教育にそって推進していくため、はまぼう学府の子供たちに必要な力は何か、9年間をどのような形で育てていくのかを小中学校が同じ目標をより意識して取り組む必要があると考え、学府教育目標を再検討するとともに、はまぼう学府内小・中学校の教育目標を学府教育目標に合わせることにした。

3 学府教育目標

互いを認め 未来をともに創る子

 学府教育目標を作るにあたり、生徒や保護者、地域の方々、教師の思いを分析し、卒業時にどのような姿を目指すのか、大きく3点に絞って考えた。

ア 自分と他との関わり・・・・やさしさ、信頼、高め合う、地域

イ 自分に関すること・・・・・主体性、本気で取り組む、自分のよさ、レジリエンス

ウ はまぼう学府小中一貫教育の理念・・・ことばの力、自尊感情、良好な習慣

互いを認め

 自分の周りの人と関わり合いながら生活するには、相手のことはもちろん自分のことをよく知る必要がある、「自分はどんな人間なのか(強みや弱み)」についてよく理解し認めることが必要だろう。そのうえで、周りの人たちのことを理解し、認めることで安定した関係を築くことができる。そのためには、自分の気持ちや考えを適切に伝えることができる力とそれを理解する力、つまり、コミュニケーションをとる力(ことばの力)が必要となる。周りの人と認め合う機会を増やすことで、自己肯定感や自己有用感が高くなり、お互いの信頼関係が生まれ、高め合う学校生活を送ることができるようにしたい。

未来をともに創る

 自分や地域の未来をより良いものにしていくために、夢(志)や目標を持ち、周りの人達とコミュニケーションをとりながら、課題を解決する力を身につけていくことが必要となる。その土台として小中学校時代は、今、自分が生活をしている学級や学校の課題に気づき解決していく力を育てていくことが大切である。気づいた課題を仲間と協力して解決し、よりよい環境を自分たちで作る経験を通して、知識や経験を身につけ、正しいと思うことを自分で判断し、本気で行動する力(主体性)、困難な状況から立ち直る力(レジリエンス)を育てていきたい。