3年生
2年生までに、主語と述語の関係について学習を進めてきていますので、3年生では修飾語がどこに係るのかという修飾と被修飾との関係に気をつけて文の構成を理解することが一つの目的になります。
この日(10月5日)、3年生のある学級の国語の授業では、学級担任は黒板にクリスマスツリーのような絵を描き、その中に「主語」「述語」と書き加えます。つまり、主語と述語で構成する「文」を一本の木に見立てて、本時は、その木にいろんな飾りをつけていこうというねらいです。
まず「花が咲きました」と文を書いた後、1枚の絵を黒板に貼ります。「絵を見て言葉を付け加えてみましょう」と投げかけます。子どもたちは「赤い」「赤色の」などの言葉を発表します。担任は、「そうだね」と言いながら木に一つ飾りを加えます。この後、もう一つ質問します。「「赤い」はどこに係っているのでしょうか」と。こうすることで、「赤い」は「花」を修飾していることを子どもたちに気づかせます。
次にもう1枚、絵を貼ります。「赤い花が咲きました」にさらに言葉を付け加えます。最初に2・3人に発表させ、そのうえで隣り同士で教え合います。そうすることで、全員に確実に理解させようとする担任の意図が表れます。「たくさん」などの言葉が出されたところで「これはどの言葉に係っていますか」と質問します。何となくわかる子どもに対しても、「なぜその言葉に係るの?」とちゃんと自分の言葉で理由を説明させようとします。
最後に、「ではチャレンジです!」と言いながら、「もっと文を飾ってみてください」と投げかけます。一人でできる子にはどんどんチャレンジさせます。鉛筆が進まない子のためにどんな種類の言葉が入りそうか、どこに入りそうかなどを順に想起させます。
まとめについても、本時のめあてに戻って「分かりやすい文にするには」までを担任が書いた後、残りの部分は子どもたちに任せます。何となく分かっていることも、丁寧に言葉で説明させようとする、まさに「ことば」を大事にした授業展開でした。
なかよし
「友達と協力する」「楽しんで活動に参加する」というのは、言うのは簡単ですが、実はなかなか難しいものです。言葉の使い方ひとつで、一瞬のうちにトラブルに発展することはよくあることです。
授業の最初に、子どもたちに「ちくちく言葉」と「ふわふわ言葉」について想起させます。「ちくちく言葉」は、言われたらいやな言葉だけど、子どもたち自身も使ったことはあるとのことです。一方で、「ふわふわ言葉」は相手が嬉しくなるような言葉で、こちらの言葉を使った方が良いことも分かっています。
そこで、担任から「今日は2つのグループに分かれてOLビンゴをします。ふわふわ言葉に気をつけて協力してやってみてください。」と本時にやることが発表されます。担任は本時が始まるまでに様々な問題が書かれたカードを教室のあちらこちらに隠しておきました。
さあ、OLビンゴの始まりです。子どもたちは一斉に教室の中を探し回ります。カードを見つけたら担任のところに行きます。カードには、引き算や掛け算など算数の問題、「た」のつく言葉を言うなど国語の問題に加えて、「逆上がりができるようになった友達に何て声を掛ける?」「間違った答えを発表した友達に何て声を掛ける?」などのソーシャルスキルに関する問題もありました。
子どもたちはもう一方のチームよりたくさんのカードを見つけよう、たくさん正解しようと懸命になります。そうすると、「早く!」「僕が答えを書く!」と強い口調になったり、ペンの取り合いになったりします。担任はそうした場面をとらえて、今日のめあてである「ふわふわ言葉」を使うということを思い出させます。
ゲームの後、タブレットを出して、自身の言動を振り返ります。「ナイスって言った」「いいね、がんばれって言った」などの発表があります。担任は「それはいつの場面かな?」「どんなふうに言ったのかな?」と聞き、文章にして発表できるように助言していました。
6年生
講話が始まる前から、体育館の前面に置かれた鉋屑(かんなくず)や鉋をかけ終えた後の木材に子どもたちの興味は高まります。この日(9月20日)の5・6校時、6年生は宮大工で静岡県技能マイスターにも認定されている沢本教哲様を講師に招き、様々なお話をお聞きすることができました。
まず、宮大工という仕事について、様々な角度からお話していただきました。
「何百年も前に建てられた建物を、修理をしながら守っていく宮大工の仕事はまさにSDGsの考え方そのものである。」「瓦屋根は100年ごとに吹き替える。屋根裏に修理した宮大工の名前を残す。だから、いい加減な仕事はできないし、恥ずかしくない仕事をしたいと思っている」といった、宮大工という仕事とどう向き合っているかといったお話に子どもたちは耳を傾けます。
「昔の建物はなぜ長持ちしたか、それは南側に使う木は南側に生えている木を使うというように、自然に逆らわず同じ環境のものを使ったからである」「300年前と同じ仕事をしなければならない。だからボルトや接着剤などというものは使わない。」「どこを直したか分からないと言われるぐらいがいい仕事である」などという一言一言に、仕事への厳しさや誠実さが伺われます。
講話の後には、大工さんの体験もさせていただきました。80人以上いる6年生児童一人ひとりに鉋で木材を削る体験をさせてくださいました。一人ひとりに手を添え、1mmにも満たない厚さの鉋屑がさあーと出てくる様に、子どもたちも感動した様子でした。体験後には
「作業時の微妙な力加減など、人間の手というのは機械にも勝るものだ」と話されました。
講話の終わりには、子どもたちに向けて「ダイヤモンドはダイヤモンドで磨くことで光を放つ。人間も人間同士で磨き合ってはじめて光るものです。ぜひ、友だちの良さ(長所)を見つけ、教えてあげてください。」「乗り越えられない壁はない。壁の向こうに何があるかを見ようとすれば、壁は低く感じる。」「時間だけは買うことができない。しかし創り出すことはできる。ぜひ時間を無駄にしないようにしてください。」など、エールを贈ってくださいました。
2年生
自分が体験したことを画用紙に描くときに、なぜその場面を描きたかったのか、その時にどんな気持ちだったのかを1枚の絵の中に入れていきたい、そのためにはどのように表現したらよいのだろうと考えるのが、この日の2年生の図画工作のテーマです。
子どもたちの中には「早く描きたい」という表情の子がいる一方で、「何を描いていいのか分からない」と不安そうな表情を浮かべている子もいます。そこで、担当教諭は「何を描くか決まっている子は発表してみて」と投げかけます。サッカー、プール、魚釣り、海・・などたくさんのことが出てきます。こういうことで、まだ描くことが決まっていない子にも発想を広げてもらおうというねらいがあります。
次に、大型モニターに2つの写真を写します。1つは、全体風景を写していて人物はみんな後ろ向きの写真。もう一つは人物の一人にフォーカスして前から写した写真です。後者の方が表情が分かり、どんな気持ちだったのかも伝わることを子どもたちに示しました。
ここで今日のめあてを黒板に書きます。「体の動きや をくふうして楽しかった様子をえがこう。」としました。子どもたちからすぐに空欄の部分に入れる言葉として、「顔の大きさ」「表情」などという言葉が発表されました。
なかよし
3年生の理科では、「風の力の大きさを変えると、物が動く様子も変わること」を理解させることとなっています。この日(7月13日)のなかよし(特別支援学級)では、4名の子どもたちに上記のことを理解させるべく学習が進められました。
「物が動く」ことについて、担任は子どもたちが興味をひきやすいようにと、ビニールテープとおもちゃの車の2種類を用意していました。
最初の実験は、扇風機にビニールテープをつけて、その動きが風の強きによってどう変わるかを調べるものです。実験前に一人ひとりに予想をさせ、その予想と実際のビニールテープの動きの違いを観察させるようにしました。身振り手振りで説明しようとする子どもに対して、「そのことを言葉で説明するとどうなるのかな?」と語彙力をつける工夫もしていました。
授業を通して、担任は「書く」ということにも細心の注意をはらっていました。じっくりと書く時間をとり、子どもたちに書くことに専念させる時間を設けていました。さらに、黒板に書く1行当たりの文字数も子どもたちのノートに合わせており、板書を写しやすくする工夫もしていました。
6年生
これまで社会科の授業で学習したことを実際に見てみること、さらには11月に予定している修学旅行の事前練習の意味合いも兼ねて、この日(7月8日)の6年生は、浜松市博物館に行ってきました。子どもたちは多くの気づきと発見をしたようです。この日の様子を簡単に写真で振り返ることにします。
<常設展示ブース>
写真にあるように、「なぜ人の骨が現在まで残っているか分かりますか」と聞かれ、子どもたちは「そういえばなぜだろう」となりました。「貝殻の下に人骨が眠っていたため、土壌がアルカリ性だったからだよ」と説明を受け、びっくりした様子でした。さらに、ナウマンゾウの化石は浜松が全国で初めて見つかったことや福田の地は昔は海の中だったことを聞き、さらに驚いていました。
仏像や戦国武将などの前で、そのポーズを子どもたちはまねていました。さらに、100年ほど前のミシンなどの道具を興味深く眺めていました。
石をやすりで削り、勾玉を作りました。バスの中でも一生懸命磨いて自分だけのアクセサリーを作り上げました。縄文時代の人々はけっこう、おしゃれしていたんだということを実感することができました。
<竪穴式住居>