5年生
「待ち合わせをしたのに、時間になっても友達は来ない」「約束をしたのにお母さんは守らなかった」子どもたちにもそんな経験は何かしらあるようで、その時の気持ちを思い出すというところからこの日(6月8日)の道徳はスタートしました。担任は、一人ひとりに写真のような「心情メーター」を渡し、怒っている(赤)気持ちと冷静(青)な気持ちを視覚で分かるように促していました。そのメーターを見せながら、理由などを友達同士で話し合いました。
教材の提示の仕方にも担任の一工夫がありました。すれ違ってしまった2人の友だちのそれぞれの立場から書かれたシートを用意していました。学級を半分に分け、一方のグループには「
すれちがい(太田マミ編).pdf」を、もう一方のグループには「すれちがい(中村えり子編).pdf」を読ませて、先程の心情メーターで、その子になったつもりで考えてみました。黒板にそれらを貼り出すと、当然の如く、双方に赤が多くなっています。
お互いに理由を言い合ううちに、子どもたちはあることに気付き始めます。お互いの言っていることが少しずつずれていること、もしかしたら2人とも悪いところがあったのかもしれないこと、相手の思いをもう少し聴くと違った結果になったことなどの発言があり、単純に「相手が悪い」と怒っているだけではよくないということが分かってきました。
最後の振り返りでは、「相手にも事情がある」「伝えるべきことはしっかり伝えた方が良い」「怒るばかりでなく、自分から謝った方がいいのかもしれない」など、明らかに最初の思いとは変わってきたようです。心情メーターの「赤」の部分を少し減らした子もいたようです。友達の意見を聞くうちに、「怒るだけじゃだめだ」と自身の考えを変えていく子どもが多く、授業の深まりを感じるものでした。
3年生
3年生理科の目標の一つとして、「昆虫や植物の成長のきまりや体のつくりについての問題を見出し、表現すること」というものがあります。
この日(6月7日)の3年生は、磐田市竜洋昆虫自然観察公園の「こんちゅうクン」こと北野 伸雄さんをリモートでお招きして、昆虫教室を開催しました。
こんちゅうクンは、テレビ画面越しに「昆虫は足が何本かな?」と呼びかけると、6本だとわかっている子どももいました。次に、クワガタムシ・ダンゴムシ・バッタ・クモ・カイコの写真を見せて、「では、どれが昆虫でしょうか?」と投げかけました。こうなると記憶があやふやになってきたようです。
次に、実際に何種類かの昆虫が学校に届いていて、子どもたちはそれらを実際に触り、じっくりと観察しました。「初めて触った」という子もいたようで、これまでは怖かったけれど、ほんの少し勇気を出せば触れたという感想を述べた子もいました。
3年生
「人に優しくしなさい」という言葉は、大人が子どもに対して簡単に使いがちな言葉ですが、実際に優しくするためにはどんなことを考え、どんな行動をとればよいのか、考えれば考えるほど難しいことです。
この日(6月1日)の3年生の道徳では、そういう問題に真っ向から取り組んだ授業でした。教材文では、みきさんから「ランドセルが重いから持って」と言われた「わたし」は「優しい人になりたい」と思い、持ってあげることにしました。ここで担任は、「先生から見ても、この子の行動は優しいと思う」と投げかけました。
子どもたちは、うーんと考えた後に、ポツポツ挙手します。「多くの人からランドセルを持ってと言われたら持てない」「我慢して持ってあげるなら持たない方が良い」と発表する子がいます。一方、みきさんの立場から「優しすぎるのは優しくない」「みきさんのことを本当に思っていない」「何でも言うとおりにしてあげるのは、みきさんにとって良くない」などの考えも出されました。ここで、学級の雰囲気は、何となく担任の思いとは違うという空気になってきました。
次に、「では、友だちから重いから持ってと言われたら、みんななら何と答えるの?」と問いかけます。自分の考えをワークシートにまとめた後、役割演技を行いました。「自分のものは自分で持たないとだめだよ」「優しくすることと持ってあげることとは違うよ」「そんなことでは将来困っちゃうよ」など何人かが全員の前で演技していました。
役割演技がひと段落した後に、「では、人に優しくするためにどんなことを考えたらいいのかな?」とこれまでのことをまとめるような発問をしました。子どもたちからは「相手のためになるかを考える」「相手の将来を考える」「言われた通りのことをするのが優しさじゃない」などの意見が出されました。
授業の中で、子どもたちは幾つかの葛藤場面に出会い、自分なりの考えを持とうと懸命に考えました。中には、友だちの意見を聴きながら自身のワークシートに書いたことを修正していた子もいました。友達の発言から学んだ瞬間だと言えます。
最後に、担任は自身の小さいころの体験を話しました。断る勇気が持てなかったことや断ったら嫌われるかもしれないと思ったことを吐露しながら、「今日の授業をやったからといって、すぐに行動を変えることはできないかもしれないし、変えなさいとも言いません。でもこうやって考えたことは頭の中に残しておいてね。」と締めくくりました。
6年生の社会科では「税金の役割」を学習しており、この日(5月25日)は税務署の方をお招きして租税教室を実施しました。
まず、DVD等を見ながら、税金の流れなどを確認しました。いろいろな税の種類がある中で、子どもたちにとっては消費税が最も身近な存在であったようです。国民から集められた税金がいずれ予算に充てられることや、税金がないとゴミ処理が有料化されたり、橋や道路を作ることも難しくなったりすることが説明されました。
すると、子どもたちから「消費税はどうして上がるのか」「税金が上がっていくことは果たして良いことなのか」「国の借金(国債)が多いのはなぜか」など難しい質問も出され、税金への関心の高さが伺えるものでした。
最後に、ジュラルミンケースから出された一億円のお札の束を持たせてもらいました。