
定規、分度器、コンパスといった道具をうまく使って「二等辺三角形」を作図しようというのが、この日(12月8日)の3年生のある学級での算数学習のテーマです。
まず、二等辺三角形とはどういう三角形なのか、それぞれの道具でどんな作業ができるのかなどについて、全員で確認しました。その後、担任は「底辺だけ定規で書きましょう」と指示します。
次に、担任はあえて高い課題を子どもたちに投げかけました。「さあ、二等辺三角形を書いてみましょう」の声に、子どもたちは手が止まります。そのうち、一人の子が「書けない」とつぶやいたのを、担任は聞き逃しませんでした。この一言を待っていたかのように「なぜ書けないのか、みんなの前で発表してみて」と投げかけます。この子は「斜めの2辺を定規で書こうとするけれど、うまく交わらない」というのです。
このつぶやきから、定規だけではうまく作図できないということを気づかせたうえで、他の道具を使うように促します。個別で考えた後、席が近い子同士で話し合います。「コンパスを使う」「定規を使う」までは言えても、何を使って、どのように作図するかまでは言葉にならない子が多いので、お互いに言い合うことによって、頭の中の思いを整理しようという意図があります。
この後、全体共有を行います。違う考えの子が代表で発表します。1時間の授業を通して、発想が広がったようです。
底辺の真ん中に中点を取り、そこから垂直な直線をひく方法

底辺のそれぞれの頂点から、コンパスで弧を書き、交わったところから直線を引く。

2本の定規でうまく交わるところを見つけ、あとでコンパスで長さを確認する。